大将からひとこと

第十一回:お客様は神様です

相棒に
「鮨で勝負する?料理で勝負する?」
はっきりと聞かれました。

私は迷うことなく
「今から鮨だけでは飯が食えない。
 料理で勝負する。」
と言うと相棒もうなずき、
それで進もうと決意しました。

魚・菜・季 しげ真の小さな看板ひとつと、
のれんで開店致しました。

前にもお話ししたように、
オープン前に訪れたのは救急車でした!!

手伝いに来てくれたお兄さんの血圧が上がり、
倒れたのです。
同じく手伝いに来てくれた女将の妹も一緒に病院へ。
ふたりだけの開店となりましたが、
お昼は数組でなんとかやりくりし、
夜のオープンへ。

夜も知り合いの方々でゆっくりとした
スタートとなりましたが、
日を重ねるにつれ、
ランチタイム・ディナータイムともに
忙しくなっていきました。

ありがたい事に、全てお客様の口コミで広まり、
ハードな日々を過ごしていました。
朝5時起き、6時迄には明石藤江の市場へ。
夜は10時~11時まで来客。
それから仕込みをしてから寝るため、
12時過ぎ~1時の毎日でした。

売り上げ目標は超えましたが、
あまりにも仕込みの時間がなく大変でした。
原価率が上がり、新しいバトルの始まりでしたが、
それは内輪のこと。

お客様がまた次のお客様を紹介してくださり、
感謝しかありません。
本当にお客様は神様のような思いでした。

「初心忘るべからず」
その想いを胸に時間を追われる日々でした。


・・・つづく

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